遺留分額の算定・計算の方法

  遺留分額は、以下の算定式によって計算します。

 @遺留分算定の基礎となる財産額 × A個別的遺留分の割合

                                       − B特別受益財産額

遺留分算定の基礎となる財産

  以下において、遺留分算定の基礎となる財産の範囲、評価方法、評価の基準時などについて説明させていただきます。

 

遺留分算定の基礎となる財産の範囲

  【相続開始時の積極財産の価格】+【贈与財産の価格】−【相続債務】によって算定・計算します。

  ここでは、遺留分算定の基礎とされる相続開始時の積極財産の範囲、生前贈与の範囲、特別受益に該当する贈与(=相続人に対する生前贈与)の範囲、生命保険金の取扱い、保証債務の取扱いなど、解釈上問題となる部分が多々ございますので、詳しい説明につきましては、以下をクリックして下さい。

 

  →詳しい説明はこちら
     

財産評価の基準時

  遺留分算定の基礎となる財産の評価については、相続開始時を基準として行うことになります。

  したがいまして、例えば、不動産が生前贈与されたとして、贈与時における価値が1000万円であったとしても、相続開始時においてその価値が2000万円に増加していた場合、不動産については2000万円と評価することになります。

 

評価の方法

1 基本

  金銭については、相続開始時の貨幣価値に換算した価格をもって評価(最判S51.3.18)され、金銭以外の財産については、相続開始時の取引価格によって評価されることになります。

  なお、金銭について、具体的には、消費者物価指数(http://www.stat.go.jp/data/cpi/)を参考にして、貨幣価値の変動を考慮することになります。

2 債権

  額面額ではなく、債務者の資力・担保の有無を考慮して評価されます。

 

3 条件付権利、存続期間の不確定な権利

  家庭裁判所が選定した鑑定人の評価に従います(民法1029条2項)。


4 担保に供されている不動産

(1) 原則

   取引価格から被担保債務額を控除した価格で評価されます。

(2) 例外

   被担保債務が遺産を構成する場合は、被担保債務を控除せず、不動産の取引価格で評価することになります。

 

5 負担付贈与

  贈与財産全額を算入すべきとするのが通説です。


6 受贈者の行為によって目的財産が滅失し又は価格の増減があったとき

 ・ 相続開始の当時なお原状のままであるものとして相続開始時の価値で評価することになります(民法1044条、904条)。

 ・ 受贈者の行為には、目的物の取壊し等の事実的行為のみならず、売却等の法律的行為も含まれるため、例えば、不動産の生前贈与を受け、相続開始時においてすでに売却済みの場合でも、相続開始時に当該不動産が存在するものとして評価することになります。

 ・ 受贈者の行為によらず自然的に消滅した場合には、その評価は0とするのが通説とされています。

遺留分算定の基礎となる財産が計算の結果0あるいはマイナスとなる場合

  この場合に、遺留分なしと考えるべきかについては争いがありますが、被相続人がした贈与があれば、当該贈与は遺留分減殺の対象となると考えます。

遺留分の割合

1 総体的遺留分の割合

  遺留分権利者全員に帰属する相続財産全体に対する割合であり、以下のとおり定められています(民法1028条)。

 (1) 相続人が直系尊属(例:親)のみの場合:3分の1

 (2) 上記(1)以外の場合(例:相続人が、配偶者と親、配偶者と子、配偶者のみ、子のみ):2分の1

 


2 個別的遺留分の割合

 ・ 遺留分権利者が複数いる場合遺留分権利者それぞれが個別に有する遺留分の割合のことであり、遺留分額の算定・計算にあたっては、個別的遺留分割合を用いることになります。

 ・ 個別的遺留分割合=総体的遺留分の割合×各遺留分権利者の法定相続分の割合によって算出します(民法1044条、887条2項・3項、900条、901条)。

   例えば、相続人が子2人のみの場合、総体的遺留分割合は2分の1、遺留分権利者たる子の法定相続分の割合は各2分の1ですので、子の各個別的遺留分割合=2分の1×2分の1=4分の1となります。 


 

特別受益財産

  当該遺留分権利者が受けた特別受益の目的たる財産の評価額が控除されることになります。

  

  特別受益財産の範囲・評価方法につきましては、以下をクリックの上でご参照ください。

   

  こちらをクリックしてください

  

 

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